メンタフダイアリー(自分用) フェーズ2

第一のコラム:状況
 
第一のコラムには、気持ちが動揺したり、つらくなったり不適切な行動をしたりしたときの状況を書き込みます。これは、なるべく具体的に記入するようにすることが大切です。新聞記者などが記事を書くときの原則としている5W1Hに近い形で書き込んでいくといいでしょう。
  • それはどこで起こったのか?
  • そこには何があったのか?
  • そこには他にどのような人がいたのか?
  • そこで何が起こったのか?
  • 誰がどのようなことを言ったのか?
  • それはどのような時間的順序で進んでいったのか?

 

第二のコラム:気分
 
憂鬱、不安、怒り、罪悪感、恥、悲しい
困惑、興奮、おびえ、いらだち、心配
誇り、無我夢中、パニック、不満、神経質
うんざり、傷ついた、心地良い、失望、激怒
怖い、楽しい、愛情、侮辱された、腹が立つ、後ろめたい、恥ずかしい
 
次に、100段階でその気分の強さを書き込みます。
 
考えと気分はちがうものなので、分けて考える。一般的に気分はひとつの言葉で表現できるもので、考えは文章になって浮かんでくるという違いがあります。
 
第3のコラム:自動思考をチェックする。
 
自動思考には、それぞれの気分を感じている時の考えや、イメージの流れを書き込みます。
 
悪い方向に考えているときは、たいてい悪いことばかり見ています。自動思考の内容はひとつの可能性だし、推測だと考えるようにしましょう。自動思考を根拠だてる証拠、否定する根拠の両方を列記してみると、頭のなかがはっきりして、気分の落ち込みが和らいできます。
自動思考が100%正しい訳ではないということを示している根拠については、すべて書き出してみましょう。
 
①根拠の無い決めつけ
証拠が少ないままに思いつきを信じ込み、自己嫌悪になったり、怒ったりする。
何かあるとすぐにその結果や、理由を考えだし、それが本当かどうかわからないのに結論を出してしまうということです。
例:はじめて手がけた仕事がうまく進まない時に、この仕事はうまくいかないだろうとすぐに決めつけてしまいました。やってもいないことなのに、うまくいくはずがないと決めつけてしまいました。
 
②白黒思考
灰色(あいまいな状態)に耐えられず、ものごとをすべて白か黒かという極端な考え方で割り切ろうとすることです。なんでも完全にできていないと気になってしまう、など。
人生はあれかこれかという二者択一で決まることなどないからです。この用の中は、上を見ても下を見てもきりがないといいます。必ず自分より能力のある人もいるし、自分以下の人もいるのです。それを、最も望んでいることが満たされなければおしまいだと考えるのは、やはり考え方が歪められているとしか思えません。
仕事を発注してもらおうと交渉したのに、別の会社に仕事をとられたというような場合に、「自分は交渉事はダメだ。失敗者なのだ」と考えたりします。しかし、人間は一つのことで判断できるようなものではありません。常に変化する社会の中で生きてゆくのが人生ですから、未だ目でも将来うまくゆくということが有るのです。また、うまくゆかない場合には、方向転換をして幸運をつかむという場合もあります。
XXXができないから、自分の人生には意味が無いという考え方だけは誤りといえるでしょう。
ある一つのことを絶対視し、それが満たされなければ自分の人生はない、と考えるなら、からなず行き詰まります。期待も大きすぎますし、事実、不可能なことを望んでいることが多いからです。もし不可能なことを望むなら、満たされないという可能性は非常に高く、その結果、あなたの持つ感情はみじめなものになるということは確実に言えます。
 
③部分的焦点づけ
自分が着目しているところだけに目を向け、短絡的に結論付けることです。
例:ある人に苦手意識を持っていると、行き会った時に挨拶をされなかったという事実に目が向いて、やはり嫌われていると考えてしまいます。
うつの時には、悪い情報だけが入ってくる色眼鏡で世の中を見ています。自分がそのような見方をしていると自覚していないので、入ってくる情報を正しいと思ってしまうのです。
 
 
④過大評価・過小評価
自分が関心のあることは拡大してとらえ、反対に自分の考えや予想に合わない部分はことさらに小さく見ることもあります。
例:対人交渉が下手だと思っているために、上手に交渉できなかった時のことばかり思い出して、うまく行った時のことは忘れてしまいます。
私たちは、他人や他のグループと争うときに、相手の力を過大評価することがよくあります。しかし、うつの場合の拡大化は、自分の失敗についてとか、自分が未熟だということで起こります。何かに失敗したとき、周囲はそれを知っている、彼らは自分の失敗を取り返しの付かないことと考え、さらにそのけっかも課題に考えるのです。
一方、自分のしたことも過小評価するということもあります。昇進した。ボーナスが多くなった。仕事を褒められたなどという時に、素直に喜べないのです。
「そんなことは誰にでも起こることだ。」と自分を卑下し、矮小化してしまうのです。
あなたの解釈は、あなたの歪んだものの見方によるのです。つまり、あなたがつけているメガネのれんずによるもので、事実はあなたの解釈とは異なります。
 
⑤べき思考
こうすべきだ、あのようにすべきではなかった、と過去のことをあれこれ思い出し悔やんだり、自分の行動を自分で制限して自分を責めることです。
例:成果物の締め切りに品質が十分でない自分をみて、「SEなら成果物を完璧にするべきだ」と責めます。
あなたは、「自分はこうしなくてはならない」と思うと、それが非常なプレッシャーになることに気がついているでしょう。こうしなくてはならない、こうあるべきだと考えてもそのようにできない。このように「ねばならない」ことができないのが人間です。実行できないから自分をダメだと思い、無力感にとらわれるのです。
一方、Mustを他人に当てはめたらどうでしょうか。「自分は一生懸命にやったのだから、仲間も上司もそれを認めるべきである」と考えてもそのようにならないことは多くあります。しかし、相手が評価しないと、あなたの心には怒りか絶望感が生まれます。つまり、あなたは他人に課題なきたいをし、相手は自分の支配下にあると思っていることに問題があるのです。
 
⑥極端な一般化
少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまいます。
例:ひとつのあるプロジェクトが思ったように進まない時に、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗すると考えます。
 
⑦肯定的なことを無視
これは自分にとって良いことを悪い否定的な感情に変えてしまうことです。良い情報を無視するならまだしも、自分を傷つける情報に変えるのですから始末におえません。
あなたをうつの感情にしている考えの本質は、「自分はだめだから」という気持ちです。仕事がうまくゆかない、試験の成績が悪いという時には、「自分はだめなんだ」と考え、仕事がうまく行った時、試験の成績が良い時でも、「だれでもこのくらいはできる」とか「これはまぐれで、どうせまた失敗する」と考えるのです。
 
⑧相手の気持ちを勝手に読む
勝手に相手の心を否定的に捉えると、あなたは相手に敵意を持ったり、その人と付き合おうとしなくなります。つまり、勝手なおくそくが心を傷つけるだけでなく、人間関係をダメにするのです。
 
⑨自己関連付け
なにか悪いことが起きると、自分のせいでおこったのだと自分を責めてしまいます。
これこそうつの考え方の中核です。うつの人は、他の人なら自己批判しないようなことでも自分を責めます。そんな失敗は誰にでもあると行っても、「それは慰めにすぎない。あなたは事実を知らないのだ。自分は本当に失敗して、他人に迷惑をかけたのだ」と確信的に考え、次席の気持ちから逃れられません。
他人から見れば些細な事でも、自分の責任にするという考えの人は、極端な話、この世の問題は全て自分の責任と考えているのと同じです。現実的には、そうでないことはあなたにもわかるでしょう。ところが、自分のこととなると、自分の責任だけではないのに、全て自分が悪いと考えます。
過去の失敗はもちろんあなたの失敗です。あなたは、他人はそれを覚えていて、あなたを非難することを恐れます。たとえその人に会わなくても、その人がそれを覚えていて、あなたを非難することを恐れます。たとえその人に会わなくても、その人がそれを覚えていて、あなたを非難するという考え、それを恐れているのです。
「そんなことはない。もう忘れている、だいたいだれでもそのような失敗をするものだ」と言っても、あなたは聞きません。人は自分をバカにしている。軽蔑しているという気持ちでいっぱいになっているのです。
他人も時に失敗をし、醜態をさらす場面をめにすることもありますが、あなたは、それはそれ、他人には失敗を気にしない人がいる、自分は違うのだ、自分はどうしても気になり、その結果、自分はダメだという気持ちになるのだと思っているのです。
過去は変えられないのですから、このような考えでは決してうつは治りません。問題は過去に起こった事実を、あなたが恥ずかしいこと、人に馬鹿にされることだと判断するその考え方にあります。
その考えを変えるのが、うつから抜け出す最も有効な方法なのです。
 
⑩情緒的な理由付け
なんとなくわき起こった感情に振り回されて、これから起きる事態を勝手に想定してしまう。
その時の自分の感情にもとづいて、現実を判断してしまいます。
例:新しい仕事についた時に不安を感じると、「初めてでよくわからないから不安なんだ」とは思わずに、「こんなに不安なんだから、自分にはできないほど難しい仕事に違いない」と思い込んでしまうのです。
私たちの感情は、私たちの考えによって生まれると言いました。ところが、感情は事実を表していると考え、そこから結論を出そうとする態度です。「自分は罪悪感を持っている。だから何か他人に良くないことをしたに違いない」、「自分は絶望的だ。だから自分の悩みは解決できないのだ」「自分はだらしがない。だから自分には価値は無いのだ」「自分は何もする気がしない。だから人は自分をダメだと思っている」などと考えるのです。つまり、感情から考えを作りだそうとするのです。
物ごとがうまくいかない気がする、良くないことが起こる気がする。だから実際によくないことが起きるのだと考えるのです。あなたの否定的な感情があなたを支配するので、自分はダメだと思い続けるのです。
事実にはよいも悪いもないのです。あなた自身の判断がそれを自分にとって良いこと、悪いことと考え、それがあなたの感情を生んでいるのです。感情を生む考えと事実は異なります。
 
⑪自分で実現してしまう予言
先のことを勝手に想像して不安になる。
自分で否定的予測を立てて自分の行動を制限してしまい、自分の行動を制限するものだから、予測通り失敗してしまう。その結果、否定的な予測をますます信じこみ、悪循環に陥ってしまいます。
可能性の一つだと考えることができず、将来を否定的な面だけで見てしまい、間違った予測をしてしまう。